ベースのネック調整は欠かせない仕事だよね!
楽器は生き物!大切に扱おう!
ネックの知識も学んでいきましょうね〜
【今日の知りたいポイント】
・ネックの反りを見る
・どんな状態になるの?
・ネック調整のやり方
・ネックが反る原因と対策
今日は「ネック調整のやり方」を解説したいと思います。
「ネックが反る?」とは、どういった状態なのでしょう?
詳しく解説していきます。
自分で調整できなくても「こうなったらネックが反った状態なのか」と分かるだけでもイイと思います。
・記事の前半は「ネックや反りの知識」
・記事の後半は「ネック調整のやり方」
以上の内容で進めて参ります。
どこから読んでいただいてもOKです!
それでは今日も行ってらっしゃい♪
ベースのネック部分
まずはベースのネックについて説明します。
ベースの3つのパーツ
ベースは大きく分けて3つのパーツからできています。
・ヘッド部分
・ネック部分
・ボディ部分
ベースのパーツについて詳しくはコチラの記事で→【楽器を知る!】エレキベースの各パーツについて〜写真で解説〜
そして、3つパーツの上に「弦」を張って演奏できるわけです。
(とりあえず、ざっくりな説明です)
ベースのパーツの中でもネックは細いので、
反ってしまうわけですね〜
ベースのネックの反りとは?
ネックは木で出来ています。
水分の保有量や乾燥によって「反ったり反らなかかったり」します。
木は自然のモノなので、単純には行かないモノです。
いうことは聞いてくれない子供のような可愛さがあります←ないか?(笑)
同じ環境でも反りやすいベースと反りにくいベースがあって、使い込んで分かることもあるよ。
ベースのネックが反った状態
「ネックの反り」には2つ種類があります。
・順反り(じゅんぞり)
・逆反り(ぎゃくぞり)
の2つがあり、それぞれネックの反る方向が違います。
順反り
【状態】
弦を張っている側にネックが反る。
これを「順反り」といいます。
【演奏性】
・弦とフレットの間が広くなるので、押さえにくくなります。
・フレットごとに弦との距離が変わるのでチューニングが合わない。
「いつもより弦を押さえる力がいるな〜」って感覚がわかれば、順反りの状態を把握できる。
逆反り
【状態】
順反りとは逆方向に反る、ということです。
弦を張っている逆側にネックが反ります。
【演奏性】
・フレットと弦の幅が狭くなるor隙間がなくなるので、ビビリの音が出る。
逆反りは「いつもより音がビビってきたな〜」ってのがサインだね!
「ん?ネックが反ってきたかな?」と、感覚でつかめるようになりたいですね!
でも「ネックの反りの確認方法」もあります。
↓
ネックの反りの確認
ネックが反ってるかどうか?は長年の感覚で身につくこともありますが、
ここではネックが反った状態をどうやって見つけるのかを解説します。
フレットの隙間で確認
①ベースを構える(座る)
②4弦1フレットを押さえる
③4弦最終フレットを押さえる
④12フレットと弦の隙間を見る
↑
この隙間が0.5~0.7mmであれば良い状態です。
それ以上なら「順反り」
隙間がない場合「逆反り」となります。
しかしながら「0.5~0.7mm」って、わからないですよね?
身近なモノでは「ベースマガジン4ページ分くらいの厚さ」ですね〜
あとは、楽譜4枚分、ハガキ、名刺など。
上からのぞいて確認
これは筆者の確認方法なのですが「大体の反り」を確認する方法です。
①立った状態でベースを縦に持つ(ベースを足にのせる)
②ベースのヘッド側からネックを見る
・7フレット辺りから弧を描いていたら順反り
・7フレット辺りがビミョ〜にに反り上っていると逆反り
長年の感覚が必要になる方法だね。
注意:この方法は「大体の反り具合」の確認方法です。
より正確なんのは「ベースを演奏する時の構え」で確認するのが基本です。
縦に構えると弦のハリが変わるので、ネックの反り具合が正しく判断できませんね〜
と言ってもこの方法は、よく使いますけど。。
ベースのネック調整をしてみよう
ここから、ネック調整のやり方を解説します。
調整の前にまず用意するものは?
↓
ネックの調整に必要なもの
・六角レンチ
・マイナスドライバー
・チューナー
六角レンチとマイナスドライバーはトラスロッド(次に解説)の形により、どちらかを使います。
メンテナン用品についての記事はコチラ→【ケア用品】ベースのメンテナンスに必要なもの6選〜写真でチェック〜
チューナーはネックを調整すると音程が変わるので、そのたびにチューニングします。
チューニングのやり方についてはコチラ→【音を合わせよう!】チューニングの知識とやり方〜写真でチェック〜
トラスロッド
ベースのネックには「トラスロッド」という鉄の棒が埋め込んであります。
トラスロッドについてはコチラの記事でも解説しています→【知識発見!】ベースのネックの構造について〜写真で解説〜
これを回すことによってネックの反りを調整します。
【トラスロッドのタイプ】
調整する穴が、
・ヘッド側にあるタイプ
・ネックエンドにあるタイプ
の2種類
【形】
・六角レンチ型
・マイナスドライバー型 (形はプラスですがマイナスで調整します)
※ホイール型というのもありますが、あまり使われていないです。
今回は六角レンチ型で解説していきます。
↓
トラスロッドを回す方向
調整のやり方は「トラスロッドを回す方向」を覚えたらすぐに出来ます。
まず、
六角レンチをトラスロッドの穴にさし込みます。
↓
【順反りを直す場合】
時計回りに回す
【逆反りを直す場合】
半時計回りに回す
これだけです。
↓
あとは、ネックの反り具合で回す角度を変えていこう。
目安は30~45度くらいかな。
どのタイプも同じやり方で調整できます。
回す方向だけ覚えておけばOKです!
ネックを外すタイプは、面倒。。
ヘッド側にトラスロッドがあるタイプやホイール型は、ネックを外さずに調整できますが、
マイナスドライバー型はネックを外す必要があります。
そうなると、
↓
ネックを外して、調整してまた付けて確認して、ダメならまた外して、、この繰り返しになります。
↑
正直これはめんどくさいです。
なので、楽器店やリペアショップに持っていくことをオススメします。
僕もマイナスドライバー型のベースを持っているけど、リペアに持っていくね!
ベースのネック・反りの原因&対策
ではネックが反る原因とその対策の仕方を見ていきましょう!
↓
湿度が高い -順反り-
部屋の湿度が高いと楽器の水分保有量が上がり順反りします。
【対策】
・部屋を除湿する
・ドライキーパーを楽器ケースに入れる
・弾かない時は弦を緩める
※木の特性で湿度が高くても反らない場合もあります。
湿度対策はコチラの記事で→楽器の湿度対策
僕は湿度高めの家に住んでいるから、弦を緩めるようにしているよ。
あとドライキーパーは常に装備!
弦のゲージが太い -順反り-
弦の張力はネックに対してかなりの負荷がかかります。
これが順反りの原因になることがあります。
ゲージの太い弦は注意です。
「50・70 ・90・110」の弦をはる場合は注意!
【対策】
・ゲージを細くする「45・65・85・100(105)」くらいがレギュラー。
・弾かない時は弦を緩めておく
弦の太さは好みなので正解はないです。
同じベースでもゲージが太いと「いつもより反るな〜」って思うね。
乾燥し過ぎ -逆反り-
逆に乾燥し過ぎは逆反りの原因になります。
厄介ですね。。
【対策】
・加湿する
・ドライキーパーをケースに常備
※ドライキーパーは湿度が高いと水分を吸収して、湿度が低いと水分を放出する優れものです。
オススメのドライキーパーの紹介はコチラ→【環境に影響される】ベースの乾燥と湿気対策〜ドライキーパー〜
ドライキーパーを1つ持っておけば便利ですね〜
弦を緩め過ぎ -逆反り-
緩め過ぎも良くない。。
って「どうしろっつーの!?」ですよね(笑)
木の特性が関わってくるのですが、もともと逆反りしやすいネックがあります。
このネックの場合、弦を緩めるすぎると逆反りしてしまいます。
リペアに持っていった時に「弦をゆるめずにネックの動きを見た方が良いよ」って言われた。
楽器の状態を見ながら付き合っていくということですね。
ぶつける・ぶつかる -順反り/逆反り-
「楽器をぶつける」は要注意ですね!
【注意する場所】
・スタジオの天井
楽器を肩から下ろす時に天井にぶつけることが多い。
・電車の中/とびら
ネックをぶつけることは少ないと思いますが、満員電車で押しつぶされる可能性はあります。
・壁に立てかける
↑
絶対禁止です!
【対策】
・とにかく注意する。
・楽器ケースを丈夫で安心なものに変える
セミハードケースがオススメです。
楽器の運搬には安心なケースが良いですね〜
ネック調整と合わせてやるメンテナンス2選
ネックの調整をすると、他のパーツの調整も必要になってきます。
「え〜、まだ完成じゃないの?」と思った方、まだ完成じゃないです。
↓
弦高の調整
弦高:弦とフレットの距離 (高いか低いか)
ネックの調整をすると弦高も変わってくるので調整します。
詳しくはコチラの記事で→【押さえにくい?】ベースの弦高の調整をしよう〜写真でチェック〜
オクターブの調整
例えば、
1弦12フレットを押さえて弾いた音と1弦12フレットのハーモニクスの音がズレることがあります。
これを「オクターブがピッチがあっていない」という言い方をします。
開放弦のチューニングが合っていても、押さえて弾いた時にチューニングが合わなくなるということです。
詳しくはコチラの記事で→【ピッチ悪くない?】ベースのオクターブチューニングをしよう〜写真で確認〜
バンドアンサンブルのためにも正確な音程に合わせることが重要!
以上のメンテナンスをトータルでやって、完成です!
どれか1つが欠けても、正しいセッティングにはならないです。
ネック調整だけではダメなんですね〜♪
ネック調整はリペアに持っていく
ここまでネック調整を解説しておいて、、
筆者の場合、ネック調整はリペアに持っていきます。
↑
ってそんなオチかい!(笑)
でも、ネックはとてもデリケートなパーツなので(他のパーツもデリケートですが)専門家に任せた方がいいという判断です。
メリットは「自分で気づかないズレも調整してくれる」という部分も大きいです。
やはり、ネックの細かい部分の状態までは分からないことが多いです。
なので、困ったらリペアに持っていきましょう!
ベースのネック調整をわかりやすく解説〜まとめ〜
今回は「ネック調整のやり方」を解説しました。
ネックの調整はメンテナンスの中でも難しい作業だと思います。
まずは、
「自分の楽器がどういう状態なのかを知る」ところからがスタートだと思います。
そのためには、
「普段の演奏から弦の押さえる強さやわずかな音の変化に気を配っておく」べきです。
・いつもより押さえにく?
・ビビリが気になる?
などが分かるようになれば「ネックの状態が変わったのかな?」と気付けるようになります。
ぜひ楽器の声を聞いてあげてください。
その後にネック調整やその他のメンテナンスをしていくという流れになります。
それでも難しい時はリペアにもっいきましょう。
筆者は「メンテナンス=専門に任せる」です。
だって演奏の専門家なので。
楽器は、
「環境により常に変化する生き物」。
この世界は、
変化に対応できた者が生き残る。
また会おう♪
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